essay エッセイ

朝ドラのモデル牧野富太郎氏の心に火をつけた『本草綱目』とは?

私はNHKの朝ドラが好きです。

4月スタートの「らんまん」は
モデルになった牧野博士に興味があるということと
たった15分間で
あれだけ引き付けられるストーリーを作ることができる
そのストーリー展開を
文章にも応用できないかと思いながら見ています。

さて12日に放送されたお話は
私の中で神回でした。笑

主人公の万太郎が学びに目覚めるストーリでしたが
なんとそのきっかけが『本草綱目』という本でした。

中医学を勉強している人は
必ずその名前を知っているというくらい有名な本で
薬草の分類から薬効までことこまかに記載があります。

私はまだ原本は読んだことがないのですが
現在学ぶことができる中医学も
この本に多大な影響を受けています。

この本は明の時代に季時珍(りじちん)
という人が作成した本です。
なんと作成期間に30年もかけた大傑作。

800余りの中医学の古典を読み込み、
さらに再検討を加え完成した書物です。

そして驚くのはまだ早い!

なんとすべての植物の形を調べ
効能を全て自分で試したというから驚きです。

ちなみにですが
本草綱目にはどれくらいの種類のものが
記載されているかというと・・・

(どのくらいでしょう?予想してみてください。)

これまたなんと!!

1892種の薬と
11000種の漢方処方
42種の薬粥と75種の薬酒の紹介があり
全52巻もあるのです。

そりゃ30年かかりますよね。

ただ植物を網羅しただけでなく
絵や説明、くわしい効能を記載し
分類までおこないました。

現代のように植物をそのまま写し取る写真も
データの管理ができるパソコンもない時代に
よくこんなことやったなと本当に驚きです。

さらにさらに!!
季時珍は小さいころは身体が弱く
長くは生きられないといわれていたそうです。

彼の情熱があったからこそ中医学は発達し
牧野博士にもその情熱が届いたのだと
昨日の朝ドラを見ながら納得しました。

そしてもう1つ私が感心したこと。
それは高知の学問所(名教館)で行われていた教育です。

本草綱目を学ぶと決意した万太郎でしたが
学識がなければ到底読めません。

文字が読めても陰陽がわからなければ
本草綱目に関しては理解が難しいでしょう。

つまり・・・
江戸末期の学問所では
小学生の年頃の子に既に陰陽五行を教えていたということを
垣間見ることができたことです。

私の出身である栃木県にも
日本最古の学校として有名な足利学校がありますが
そこでも同じように陰陽五行(易学)を教えていました。

そうやって陰陽を学んだ人たちが
幕末から明治にかけて
世界に通用する新しい日本をつくっていく
力になったのです。

陰陽は時を超えて
現代を生きる私たちにも
多くの知恵を与えてくれる存在です。

今は学校では陰陽を教えてはいません。

しかし、陰陽は人生をより深く豊かにしてくれる
素晴らしい知恵だと確信しています。

そんなことを朝ドラをみながら考えて
1人で嬉しくなっていました。

少しずつ、陰陽の視点を生活に取り入れていったら・・・
毎日の暮らしは
もっともっと豊かで
味わい深いものになるはず。

それでは今日も
人生最高の1日を☆彡