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オンラインインタビュー日本&オーストラリアで看護師として働き、現在秋田で自給自足コミュニティーづくりに邁進するチョールトンかやのさん

世の中にはいろんな人がいていろんな働き方があって面白い大人がたくさんいます。そんな大人をゲストに迎え、熱い、熱い、熱い思いを語ってもらい、子供たちの心にワクワク&ドキドキの種を植え付けることを目的に開催することになりましたオンラインインタビュー。

記念すべき第1回目は日本&オーストラリアで看護師として働き、現在秋田で自給自足コミュニティーづくりに邁進するチョールトンかやのさんをお迎えして海外で働くこと、夢をかなえる秘訣を伺いました。

1、チョールトンかやのさん経歴

オーストラリア時代のかやのさん。ナース服がお似合い
神奈川県横浜市出身。国立看護学校を卒業後、都内総合病院で3年半正看護師として勤務。

1999年ワーキングホリデーにてオーストラリアへ渡豪、1年間パースで過ごす。帰国後、都内総合病院、その後秋田県内某総合病院に勤務。日本で通算6年間の看護経験(内科、小児科、泌尿器、耳鼻咽喉科混合、脳神経外科、循環器呼吸器内科、老人介護施設など)を経て2005年西オーストラリア州パースへ看護留学。

カーティン工科大学付属語学学校入学、2006年同大学看護学科コンバージョンコースへ編入。
2007年同大学卒業看護学科学士取得し、卒業後、西オーストラリア州看護協会登録し正式にRN(登録看護師)となる。

2008年5月結婚、翌年長女を出産、2年後に長男を出産。

2019年2月に12年間勤めていた病院を退職し、家族4人で秋田県北秋田市へ移住。現在は複数の仕事を掛け持ちしながら、自給自足コミュニティーづくりと、誰でも先生になれる学校の設立に向け奔走中。

2, かやのさんが看護師を目指した経緯とは?

笑顔がステキな看護師の女性2人
「手に職をつける」「海外から日本を見る」「お金がもらえて感謝される看護師は素晴らしい仕事」こんな力強いお母様の言葉を聞きながら育ったかやのさん。

看護師を目指すきっかけは高校2年生の職業体験でした。こども病院での体験、白いナース服に身を包んだ時、初めて看護師を職業として意識し、そこから猛勉強が始まりました。

かやのさんの性格を熟知していたお母様は「あなたに看護師は絶対無理」という愛の鞭で叱咤激励。その言葉に奮い立つように絶対看護師になって見せると決意し看護学校入学を勝ち取ったのです。

3,英語は昔からできたのでしょうか?

カラフルな地球儀
かやのさんが英語に出会ったのは小学校4年生の時。近所の英語の先生のところに通っていましたが半年余りで辞めてしまいます。理由は「つまらないから」その後漫画で勉強するも飛躍的向上は見られず、中高の英語の成績も普通。

 特に英語ができるわけではなかったかやのさんですが、小さい頃から海外への憧れは持っていました。

そこにはお母様の存在がありました。「日本の外から日本を観なさい。そうしないと本当の日本はわからない。」と。

さらに、お母様自身が中国に看護留学されている経験があり、そんなお母様に育てられているかやのさんはいつか海外で働くことが小さい頃から心のどこかにあったそうです。

 英語はコミュニケーションツールとかやのさんは言います。使わなければ忘れるし、それをつかって何を伝えたいかがなければ上達はしないし、勉強する意味はないと言います。

今回子供たちへの英語習得のアドバイスとして、外国人の友人を作る、趣味に絡めて英語を勉強する、オンラインゲームを活用する、観光名所で英語のボランティアガイドをする、小学校のALTの先生と仲良くなるという方法を教えてくださいました。まずは面白そうだなと思うところからスタートするのがポイントです。

さらにオーストラリアの方が日本語を習得する方法についても言及。漫画、アニメを日本語で読みたいという気持ちから日本語を勉強する方が多いそう。なんと鬼滅の刃も英語版があるそうです!!

4, 海外で働くってどんな感じですか?

オーストラリア時代の同僚とナースステーションにいるかやのさん
海外で働くってどんな感じでしょう?

なかなかイメージしにくいので海外で働く中で経験した楽しかったこと、つらかったことを聞いてみました。

1番楽しかった思い出はなんですか?

クリスマスのイベントで仮装するナース時代のかやのさん
典型的なにまじめな日本人ではない(自称)かやのさんは海外での生活やお仕事は楽しいことばかりだったそう。

オーストラリアの病院はスタッフも患者さんもユーモアたっぷりの人が多く、人を喜ばせるのが大好きなかやのさんはそんな職場が大好きでした。日本で勤務中に鼻歌を歌って婦長に怒られたかやのさんですが、オーストラリアでは彼女の鼻歌にみんな乗っかってしまいにはコーラスになることもあったそうです。

また、オーストラリアでは医師、看護師、薬剤師と役割分担がしっかりしているため、看護師は看護の仕事に集中できる環境が整っていました。日本にいたころはあれもこれもやらなくちゃいけない仕事に追われ余裕がなかったと話します。

1番つらかった思い出はなんですか?

頭に手を添えてうつむく女性
わずかだけどあったつらいこと。それは差別でした。アジア人としての差別。黄色人種としての差別。英語が下手という理由での差別…。

そんなときどうしたかというと…開き直った!!

母国語でない英語を使っているのだからヘタなのは当然。しかし、専門職としての資格をしっかりもって勤務していることに誇りと自信は失わなかったのです。もちろんそのような差別をするのはごく一部の方で、そんな方は何か問題を抱えていることが多いと理解し、気にしないことを徹底したそうです。

それでも多くの方は「日本人です。」というかやのさんの自己紹介に、みなさん好意的な「うわぉ~!!」といういい反応を示してくれたそう。

みんな日本人が大好き!!そしてそれは母親世代、祖父母の世代が築いてくれた「日本人は素晴らしい民族」というイメージによるものでした。これも日本にいたらわからないこと。だからこそ、外に出るって大事なんですとかやのさん。

5, オーストラリアで看護師デビューまでの道のり

オーストラリア時代のかやのさん。ナース服がお似合い
ここでちょっと具体的に経歴について紹介します。どんな道のりを歩んでオーストラリアで看護師になったのか、資格的なものを含め紹介します。

横浜生まれのかやのさんは高校2年生の職業体験で看護師になることを決意。看護学校を無事に突破し都内の病院で正看護師として3年半の実務経験をつみました。

その後、ワーキングホリデーで訪れたオーストラリアに1年間滞在。1度帰国して再度日本での経験を積んでからオーストラリアに看護留学をはたします。

オーストラリアでは看護師は国家資格ではなく登録ナース(RN)となる必要があり、そのために語学学校に通いつつ、大学の看護学科に編入することになりました。日本での資格と実務経験があったため、大学では倫理や歴史、文化について学びました。

その後、はれて登録ナースになりオーストラリアの病院で勤務がスタートしました。

6, あの人にできたのだから私にもできる

幸せを象徴するクローバー
かやのさんが看護留学をした2006年ごろはインターネットが普及し始めたころ。今のように何でもネットで情報を入手できるという時代ではありませんでした。

そんな中、できたばかりのホームページに海外で看護師として働いている方が、どのようにして夢をかなえたか書いてくれていました。さらに海外で働いている看護師に直接お話を聞いたり、本を頼りに情報収集をしたというかやのさん。

海外で看護師として働く夢をあきらめなかった秘訣は…「あの人にできたのだから私にもできる!!」という精神。

未開のジャングルを1人で分け入るわけではない。先に海外で看護師になってる人がいて、その方が情報をたくさん残している。だったら私にもできるはず。自然にそう思えたといます。

「私にもできた。だから今日お話を聞いてくれているみんなもできるよ。大丈夫、私だってできたんだから!」
という力強くも母のような優しさのこもったメッセージをいただきました。子供たちの真剣なまなざしが忘れられません。

そんな経験から、かやのさんもオーストラリアでの生活をブログに残します。授業の内容、プライベート、テストとか、お金とか日々の生活やビザに関することまですべてを書いたというかやのさんのブログは、海外でナースとしてた働きたい人が必ず見るといわれる神ブログになっています。※かやのさんのブログです↓↓↓

【ど田舎で運命を切り開く!逆輸入 田舎移住ブログ】

7, 夢をかなえる人の特徴

笑顔でかわいいガッツポーズをする看護師
ブログでの発信などを通して多くの方の相談をうけてきたかやのさん。そんな中で夢をかなえていく人とそうでない人の違いに気が付いたそう。

夢をかなえる人は…自分を信じることができる人。自分に制限をかけない人。

「もうちょっと英語がうまくなってからにします。」「もうちょっと日本で経験を積んでからにします。」そういった方は相談に来られたけれど、その後オーストラリアでお会いすることはなかったそう。

考えることよりもさきに動く。家庭やお金の問題があるならそれをどうやってクリアできるか必死に考える。それができる人が夢をかなえていける人。

さらに、「どんな状況も楽しむ力を持っている人はどんどん夢をかなえていける人。つらいことも悲しいことも泣きたいこともあるけれど、そんな時は泣いていい。でもそんな中でもどうやって楽しめるかなって考えることができる人ってすごいパワーもってるよ。」と。

かやのさんだからこそ出てくる言葉。そうやっていろんなことを楽しんできたからこそなんでも楽しめるかやのさんなんですね。

8, Enjoy your life ! Enjoy yourself !!~あなたの人生はあなただけのもの~

新緑からさす木漏れ日
これから社会に出て輝いていく子供たちにメッセージをいただきました。
「Enjoy your life ! Enjoy yourself !!」あなた自身の人生を楽しんで

実はこの言葉、かやのさんがオーストラリアで友人たちに言われたけれど、最初は理解できなかったひと言。あなたの人生を楽しむ?ってどういうこと?と思っていたかやのさん。

日本では引っ越しする人や、何かの節目に「がんばってね」という言葉をかけるのが普通です。しかし、そんな時ほとんどの人はすでに頑張っているんです。それにさらにがんばってといってしまう日本人ですが、こんなときオーストラリア人は「Enjoy your life ! Enjoy yourself !!」というそう。

どうしても理解できなかったかやのさんは「人に迷惑かけてまで自分の人生楽しみたくはない」と伝えたそうです。すると意外な答えが返ってきました。

「あなたが人生楽しんだって誰にも迷惑はかからないよ」と。
これにはかやのさんもびっくり。「周囲の人に迷惑をかけないように生きてきた私の人生っていったい何だったの~??」と叫びたくなったんだとか。それと同時に、日本での勤務中に鼻歌を歌って婦長さん怒られた経験も「あれでよかったんだ」と思えたそうです。笑

あなたの人生はあなたのもの。お母さんのものでもないし、旦那さんのものでもない、子供さんのものでもないんです。あなただけのもの。だから「Enjoy your life ! Enjoy yourself !!」

9, かやのさん今後の展望

アライグマの被り物をして雪かきをするかやのさん
3年前に秋田にご家族で移住され、現在は複数のお仕事を掛け持ちされながら自給自足のコミュニティーを作ることに奔走しているかやのさん。今度の展望に関してきいてみました。

夢は大きく2つ!!

1つは誰でも先生になれる学校を作ること。もう1つはお金を必要としない自給自足のコミュニティーを作ること。

誰でも先生になれる学校

春、肝を養う食べ物である山菜
かやのさんのすむ秋田は自然が豊かでお年寄りが多くいる地域。

山菜取りの名人、山歩きのプロ、漬物や料理の名人、そしてマタギ。生活の中で身に着けてきた生きる知恵を持ったお年寄りがたくさんいます。彼ら、彼女らが持つ知恵は本にもネットにも載っていないとても貴重なもの。それを誰でも学べるような場所を作りたい。

そんなすごいおじいちゃんおばあちゃんもいつまで元気でいられるかわからない。もしこの世からいなくなってしまったらその智恵は失われてしまう。その前に、多くの人が学び、共有できる学校を作るのがかやのさんのひとつ目の夢。

お金を必要としない自給自足のコミュニティー

肝の養生にぴったりの春菊
昨今の自然災害を目の当たりにして、お金にだけ頼ることの危うさに気付き何ができるかと考えた結果が自給自足コミュニティ。水があり、食料があり、土地があり、土から生み出す力(農業の智恵)があったら何かあった時でも生きていける。そんな思いから、まずは家庭菜園に着手したというかやのさん。

災害時の物の準備で満足してしまいがちですが、生み出す力こそ生きる知恵なんだとお話を伺い強く感じました。また、それに関連して『サバイバル家族』という映画をお勧めしていただきました。おもしろおかしく生き抜く力が描かれている映画です。↓↓↓

10、インタビューまとめ

オーストラリア時代の同僚とナースステーションにいるかやのさん
今回のオンラインインタビューでは約1時間かけ小学生向けにお話をしていただきました。

かやのさんの人生は一見ネガティブに思える発言…例えばお母様の「あなたには看護師は絶対無理」という発言、日本での先輩看護師のかたからの「たいして仕事もできないのに海外に行く?」という発言、オーストラリアでのアジア人であるが故の差別、英語ができないことで「ちゃんとしたナースを連れてこい」という発言。

ここで心が折れてしまってもおかしくなかった。
しかし、かやのさんは夢をかなえることをあきらめませんでした。

それは強い情熱によって行動し続けると同時に、冷静に状況を判断して夢をかなえるために今私にできることはなにか?を淡々と実行してきたからだと感じました。

そしてそのもっともっと根底には自分への絶対的安心感…「私は大丈夫。私はできる。」という気持ちがあったからだと私は感じています。

失敗は悪いこと。特に日本人は失敗しない事、迷惑をかけないことに重きを置きすぎてチャレンジすることのハードルがどんどん上がっている方が多くいます。人生は1度きり。そしてその人生は誰のものでもなく私自身のもの。

子供たちよりも先に、まず私たちママやパパが人生楽しんじゃいましょう。その人生はきっとキラッキラに輝くはずです。その輝きはかならず子供たちにも届くはず!

最後に今回、初めての企画を笑顔で引き受けてくださったチョールトンかやのさん、そしてオンラインインタビューにご参加いただいた参加者の皆様、感動のひと時を一緒に過ごすことができ本当に楽しかったです。ありがとうございました。