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身体と心と精神の成長を待ちながら進める新しい読書法

学生の頃、本を早く読むことができる<速読>というものに憧れました。

1日に何十冊も読めて、すべてその内容が理解できたら、どれだけの知識を自由に使えるのだろうと想像したものです。

私は子どもの頃はそれほど読書が好きではなかったのですが、大学時代に出会った恩師のおかげで学ぶことが大好きになりました。そこから毎年毎年、「こんなに学んだ年はないな~」と言っています。笑

専門分野である中医学やそれに関連する本は知識や理解を深めるために読みます。

でもそうじゃない読書というものがあるということに最近気が付きました。

デスクの上のスケジュール帳

私は老子を人生の師として仰いでいますが、彼の「老子」という本があります。「道徳経」という呼び方もされたりします。

この本は速読では味わえない、すごく斬新で刺激的な読書体験ができる本です。

内容はとても抽象的です。地名も人物名も一切出てきませんし、初めて読んだ時は何を言ってるかさっぱりわからない状態で、究極のモヤモヤでした。

が、不思議と手放せない本なのです。

デスクの上のパソコンとスケジュール帳

「何度も何度も読めば分かるようになるか?」といったら、それもまた違っていて…自分自身が進化しなければ理解は進みません。

ただ表面的な文字を理解することはできますが、それが何を言っているのか?どういうことなのか?ということはわからないまま。

このつかみどころのない老子の本を読み深めるために役立ったのが<気功>と<瞑想>でした。

本を理解するのに気功と瞑想をするってちょっと面白いなと思いつつ、机上にとらわれない新しい読書の形と理解しました。

毎日、気功の修錬をしたり、瞑想の時間をとっていると、それまで究極のモヤモヤだった「老子」がだんだん文字ではなく感覚として分かってくることがあるのです。

これは私も不思議でした。今までそんな体験一切したことがなかったからです。

緑の中で瞑想する女性の手

老子は哲学者であり気功家でもありました。

彼が体験したであろう<道>を私自身も体験することによって彼の思考に少しでも近づけたらと思いながら気功をする、瞑想をする…。

そうすることよにって「老子」に書いてる内容が文字ではなく感覚で理解できるようになる。今はそんな風に感じています。

新緑がキラキラひかる森

彼は本の中で「名前に引きずられて本質を見失うな」ということを書いています。

私自身、文字と文字には隙間が存在するという感覚は以前からあって、なんというか…文字だけでは表現しきれない世界があることを理解するきっかけになりました。

速読でささっと読んで知識にしたい本もあれば、老子のように自分の身体と心と精神的な進化を待ちながらゆっくりゆっくり味わう本もあります。

後者は美味しいチョコレートを口の中で転がすようなそんな至福の時間です。

輝くピンク色のハート

もちろん…未だに全く内容を理解できていない「老子」ですが、それでも毎回本を開くたびに「また進化できた」と思える自分が嬉しいわけです。

この<進化>は、
進化であって、
深化であって、
私自身の真価でもあり、
誰とも比べる必要はまったくないのです。

そんなステキな本に出合えたことに心から感謝!!親愛なる老子様、いつかあなた観た世界を私も体験してみたいです。

という…今日は最近嬉しいな~と思いながら味わっている読書体験に関するお話でした。

積み重なった本

中医学や気功の世界では理論を学ぶことで技が進化する。技が進化することで理論の理解が進むという考え方があります。

頭だけではなく身体も使って学ぶことが重要視されるのです。すごく強い武術の達人が腕のいい中医師でもあるというのが当たり前にある世界。

本当の学問は身体も頭もフルに使って楽しむものなんだなと改めて思いました。

それでは今日も
人生最高の1日を☆彡