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春の養生セルフケア編~お家時間でさらに美しく~

お家時間を活用してできる春の養生セルフケアを5つ紹介します。肝の発散力を高める散歩の方法、目を温める小豆カイロ、肝を養う目のマッサージ、肝気を巡らす気功。そしてストレスマネジメントとしての瞑想。
春という季節の特性を活用しつつ、身体だけでなく心のセルフケアにもご活用ください。
また春の養生に関しては別記事「春の養生~春を美しく健やかに過ごすコツ~」で詳しく紹介しています。より詳しく春の養生を知りたい方はぜひこちらの記事もご一読ください。

1,春の養生セルフケア

気功をする女性
2000年前に編集された中国の医学書である『黄帝内経』に、春の養生法の記述があります。
朝は早く起き、庭をゆったりと散歩をする。髪を解きほぐし身体をのびのびと動かす。
春に芽生えた万物のように心も身体も生き生きと陽気を発散させる。

中医学では春は<発生>の季節といわれます。新芽が伸びすくすくと育つように私達の身体も心ものびやかに解放してあげることが春を快適に美しく過ごすポイントです。

そんな春の養生を日常生活の中でできるお家でできるセルフケアとしてまとめてみました。
春の季節の特性を理解し、心と身体に向き合う豊かな時間をお過ごしください。

「春の養生~春を美しく健やかに過ごすコツ~」

2,肝の発散力を高めるゆったり散歩

春の散歩日和、青く澄み渡った空
春は新しい環境に身を置くことが多くなりがちです。緊張したり気を遣ったり、慣れない環境にストレスを感じやすくなります。また、春は<肝(かん)>が活発になる季節です。肝は心の安定と深くかかわり、<怒>の感情と関連がある臓器です。肝のバランスが崩れるとイライラしたり、逆にくよくよしたりと心が不安定になります。そんな時におススメなのがゆったり散歩です。

ゆったり散歩で肝の発散力をアップ

春の朝日を浴びて気持ちよさそうに伸びをする女性
朝の時間帯(陽気が昇る時間帯)に合わせて散歩をすると頭がすっきりするだけでなく身体の調子も心の調子も安定します。
速足で歩くトレーニングのようなウォーキングではなく、ストレスを発散させる(解放する)ゆったりした散歩がおススメです。景色や春の植物を見ながら心を解きほぐすようなイメージでゆっくり散歩を楽しみましょう。
また、肝は締め付けを嫌うという性格から髪の毛や衣服など、身体を締め付けないようにすることがポイント。こころも装いも歩く速さも、ゆったりのびのびを心掛けてください。

3、目をいたわる<小豆カイロ>であったか時間

目の養生に使う手作り小豆カイロ
春に活発になる肝は目と深いつながりがある臓器。肝が疲れてきたサインは目に現れます。目の瞼のあたりがぴくぴくしたり、眼精疲労、それに伴う肩こりや首凝り、目のかすみなどは肝の機能低下のサインです。普段から目を使いすぎないことに加えて、目をいたわることをお忘れなく。そんな時に活用できるのが小豆カイロです。

小豆カイロは環境にもお財布にも優しい!

お好みの布で袋を作り、中に小豆を入れて作るものです。これを電子レンジやお鍋の蒸気で温めて目や肩、お腹や腰に当ててカイロとして使います。
温かさの持続時間は20分程度と短めですが何度も繰り返しつかえるカイロなのでコスパがよくゴミが出ないという点で、環境にもお財布にもやさしいのカイロなのです。

なぜ小豆を使用するのか?

肝の不調に使う小豆枕の材料である小豆
そもそもなんで小豆?という質問があると思うのですが、調べてみると小豆には水分が多く含まれているため天然の蒸気が出てそれが身体の芯まで温めてくれるからだそうです。
カイロと名はつきますが、市販の貼って使えるカイロとはちょっと使用方法が異なり、外出先でもぬくぬくというわけではなく、お家で使うセルフケア専用カイロという位置付けです。
作り方はとても簡単です。手縫いでもできるのでぜひ挑戦してください。最近は市販のものも販売があるので時間に余裕がない方はご活用ください。
1度この暖かさと気持ちよさを味わったら病みつきになると思います。

小豆カイロの作り方

目の養生に使う手作り小豆カイロ
【材料】
・お好みの布(化学繊維が含まれない自然な布)
 目に使う場合は25センチ×13センチ(縫い代込)くらいがおススメです。
・小豆(適量)
・縫い糸

【作り方】
①お好みの布を適切なサイズに切ります。
②裏表にして小豆の入り口部分をのこし縫います。手縫いの場合、波縫いより半替えし縫いがおススメです。
③小豆を適量入れます。パンパンではなく余裕をもってくたっとなるくらいがちょうどよいです。
④小豆の入れ口を閉め完成です。

小豆カイロの使い方

電子レンジを使用する場合、30秒から1分温めて使います。サイズやレンジのワット数で多少違いがあると思いますのでちょうどいい時間を見つけてください。目安は上記の通りですが加熱しすぎで小豆が破裂してしまうと、小豆の水分が低下して蒸気が発生しにくくなるので破裂しないくらいの温めが理想的です。

また、電子レンジを使用したくない方もいらっしゃると思います。そんな時は、蒸気の上がった土鍋のふたの上や蒸し器を活用して小豆カイロを温めることもできます。ただし、どちらも高温になりすぎてしまう場合があるので、目に当てることを考えると電子レンジの使用がより安全だと思います。

温めたものを温めたい場所へのせます。肝の養生を考えると目や首、肩に当てるのがよいのですが、お腹(女性は下腹が気持ちいいです)や腰に当ててもとても気持ちがよいです。電子レンジを使えば1分で温められ、持続も時間も長めなので昼休みやちょっとした休憩時間、疲れたなと感じた時などにお試しください。また、寝る前に目を温めてから寝ると睡眠の質が向上します。

4,肝を養う目のマッサージ

肝に関連のある目の周りの経絡をマッサージする女性
目の周りには肝の経絡(気の通り道)がたくさん集まっています。そのジャンクションとなるのがツボです。ツボを刺激することで目だけでなくその効果は肝まで届きます。目の疲れを感じたときやリフレッシュしたい時に道具が必要なくその場でできる1番簡単なセルフケア。代表的なツボを5つ紹介しますので、痛気持ちいいくらいの強さで押してみてください。

目の周り、肝の経絡の主要なツボ5選

【攅竹 さんちく】
眉毛の生え始めのところにあるくぼみ。三叉神経の出口で三叉神経痛、眼精疲労に効果あり。

【魚腰 ぎょよう】
眉毛のアーチ1番上のところ。目の乾燥や眼精疲労に効果あり。

【太陽 たいよう】
眉毛の末端と目じりを直線で結んだ交点。頭痛、眼精疲労、風邪、不眠に効果あり。

【四白 しはく】
黒目の中心の真下。目のくぼみの骨の際の部分。めまい、目の疲れ、視力回復に効果あり。強めにゆっくり押すのがよい。

【迎香 げいこう】
小鼻の両横。鼻の通りを良くするツボ。花粉症の改善にも効果あり。

5分ツボ押しで目の疲れをしフレッシュ

四つ葉のクローバーが光を受けて輝く
紹介したツボを一連の流れで押してみましょう。全部やっても5分とかからないのでスキマ時間にぴったりです。

① 眉毛のアーチ(目の上の部分)に合わせるように指を3本ずつたてて目の周辺をマッサージ。

② 四白(目の下の部分)に中指を当てて指3本で目の下周辺をマッサージ。

③ 攅竹⇒魚腰⇒太陽⇒四白⇒迎香の順に親指を当てたら息を吐きながら顔を倒し頭の重さを使ってゆっくりツボに刺激を与えます。

④ 首の付け根の部分(風池 ふうち)を刺激します。

⑤ 耳の後ろくぼんだ所(翳風 えいふう)を刺激します。

⑥ そのまま顎を下るように、えらの上(頬車 きょうしゃ)を指3本で押さえ一呼吸⇒あごの下(上廉泉 じょうれんせん)を下から上に突き上げるように一呼吸。

このマッサージだけでかなり目の周辺や顔全体がポカポカしてくると思います。
冷えると血流もリンパも流れが悪くなり、目の疲れもなかなか取れないだけでなくどんどんひどくなってしまいます。痛みが出る前から予防の意味を込めて心地よい刺激を入れてあげましょう。

5,肝気を巡らす気功

中医学ではすべての根源は気であるという思想があり、すべての生命力の源であると考えられています。生命あるものはすべて宇宙の真気をうけて生きているのであり、それをより効率的に身体に入れる方法が気功です。

気を使いすぎていませんか?

心身に不調をきたした女性
現代人のほとんどが気の赤字と言われています。
特に日本人は気を遣ったり、気配りができたり、本来自分に使うべき気をほかの人に使っている場合がとても多いのです。だからやる気がなくなったり、気持ちが落ち込んだり気分が安定しなかった利という心の不調が出てきてしまいます。(上記の文章にはたくさんの<気>があるの気づきましたか?これだけ気を使って私たちは生きています)

気功は特別な道具もいりませんし、場所も取りません。
呼吸と意識を連動させれば子供からお年寄りまで誰でもできて誰でも効果を実感できるようになるのです。

今回は1番簡単な気功法である<セイシュ>をお伝えします。

<セイシュ>全身をリラックスさせ邪気を発散させる方法

新緑の森の中のイメージ
① 足は自然な幅で立ち、指先は前に向ける。ひざは突っ張らずに少し曲げるイメージ。

② 肩の力をぬき、楽に立つ。

③ 手を前後に楽に振る。(1分に50~60回が目安だが心地よいペースでよい)

④ 息を吐くときに手が前に来るようにする。

⑤ 慣れてきたら手の先端から邪気(不要なもの)が遠くへ飛んでいくイメージをする。

⑥ 終わりにするときは収功をする。
  女性は右手を子宮のあたり(丹田)にかざし(お腹にはくっつけません)その上に左手を重ねて1分間ゆっくり呼吸。

セイシュのコツはぼーっとすること!?

青色が美しい春の花。
セイシュは気功の準備体操的に行うものですが、これだけでも十分に効果を感じることができます。話をしながら、テレビを見ながらでもできる気功法ですが、ポイントはぼーっとしながら行うことです。意識をだんだんフェイドアウトさせるような感覚です。

普段私たちは意識的に色々なことをしていますが、このセイシュはあえて意識をぼーっとさせながら行うのです。5分でも10分でもすっきしたいときに行ってください。手を振ることで手のひらがふわっとしたり、温かさを感じたり、ざわざわしたり、今までにない感覚を感じることができると気が回りだしたサインです。

気功に関してより詳しく知りたい方、体験してみたい方は毎月開催のオンライン気功教室をご活用ください。気功だけでなく季節の養生に関してもあわせてお伝えしています。詳しくは下記の項目をクリックして詳細をご確認ください。

6,瞑想でストレスマネジメント

瞑想をする女性
春、新しい環境におかれて外に向きがちな意識を意識的に内側に向ける行為、それが瞑想です。少し前までは瞑想=宗教的なこと、一部の人に限られることというイメージが先行していましたが、最近は企業のストレスマネジメントにも活用されるほどメジャーになりました。ストレスフルな生活を送っている方にこそ瞑想を生活に取り入れていただきたいと思います。

瞑想は様々な場面でよい効果を生み出します

瞑想の効果はストレスの緩和をはじめ、絶対的安心感のめばえ、心身の状態、人間関係、物事の進み方、手中力のアップ、仕事の効率化など多岐にわたります。あらゆる場面でよい環境を構築することが期待できるのです。
瞑想はライフスタイルによって1分からスタートできます。
道具も場所も取らないことを考えると、気功と同じくらい取り組みやすいものと思います。今日は1分間でできる瞑想法をお伝えします。

1分間瞑想法(豊かさと感謝の瞑想)

白い花瓶に入ったピンク色の花
① 椅子に座り、両足は床につけましょう。両手はももの上に上向きに楽に置き、顔は少し上向きにして目を閉じます。

② 胸の中央部分(中焦、もしくはハートチャクラ)に意識を向け感謝の気持ちを感じましょう。

③ ありがとうという気持ちとともに、すでに私が手にしている豊かさを思い起こしてみてください。

④ ありがとうと豊かさを味わいます。

⑤ ゆっくり目を開けてください。

既にある豊かさに気付く

豊かになるのではなく、すでにある豊かさに気付くというのがポイントです。
既に豊かであるという意識がさらなる豊かさを引き寄せます。豊かになりたいという意識は前提として今現在豊かではないという現実を引き寄せてしまうのです。この2つの意識は似ているようで実は全く違う意識なのです。

瞑想は豊かさに気付き、本当の自分に還るための1つのきっかけです。
現実の肩書やセルフイメージにとらわれない時間を意識的に作る中で本当の自分にアクセスしそれをこの現実世界で形作っていきます。

一緒に瞑想しませんか?

爽やかな心を象徴する青い花と白い花
本当の自分と社会が求める自分に隔たりができてしまうことによって人は心身を病んでしまいます。本当の自分に還る時間がある人生はとても心地よく楽しく豊かなものです。そのきっかけに瞑想をご活用ください。

また、より深く瞑想に関して学びたい方、瞑想を体験してみたい方は毎月2回開催の瞑想会(原初音瞑想)をご活用ください。宇宙の音といわれるマントラ(原初音)を使う瞑想を朝の時間、夜の時間で開催しています。
瞑想は複数人で行うことでよりパワフルなものになると言われています。興味のある方は下記の項目より詳細ページをご確認ください。

7,春の養生セルフケアまとめ

春の朝日を浴びて気持ちよさそうに伸びをする女性
ご家庭でできる春の養生を5つ紹介しました。どれもご家庭でできる簡単なものでありながら効果を感じやすいものです。季節の特徴を理解し、自分の身体と心と向き合うことで自分自身と仲良くなりそれが自分への自信につながっていくことを願っています。
季節の養生はすでに2000年前に出来上がっていました。現代は2000年前よりも忙しいライフスタイルになりつつありますが、そんな忙しい私達にもできる具体的な方法を各種講座でお伝えしています。ぜひご活用ください。